2022年7月11日月曜日

中島京子の5冊 その5 長いお別れ

 34段目6番

かたくりの湯 2


いつもなら10:00の開湯に合わせて来るのだが、その日は朝から飲んでおりスッカリご機嫌 着いたのは11:00頃だろうか

露天風呂は洗い場が2つしかなく、内湯には置いてある石鹸も用意されていない けれどその日は果てしのない露天風呂日和で、それより何より昂楊した気分を「後生大事にしなくちゃ」と石鹸持参で臨んだのだ

実はきのう瀬戸内の島に住むともだちを訪ねる予定だったのだが、身勝手な都合から<取り止め>のメールを打った 

で、酒浸りになったわけだ

飲んでるうちにいつものように万能感に取りつかれ、使う予定だった金はいくらでもあるんだしと、次から次へと飲み干し夕べから今朝にかけいったいどのくらい睡眠をとったのかさえ、定かではない

1番乗りかどうかはハッキリしないが(当初)露天風呂には誰もいなかった

そこへ神山さんがやって来た

普段は無口でも、酒が入ればそれなりに饒舌になる 俺の方から名前を聞いたのかもしれない

神山さんは5歳年上だが大竹友司を知っていた

大竹は日高時代の同級生で<アイスホッケー部>だった 

授業中は、もっぱら仮眠に当てていた

このブログに何度も書いたが20代の前半、渋谷の<ちっちゃな赤鬼>という飲み屋で働いていた

そこへ大竹が現れた 奇跡のような偶然だ

どんな仕事をしていたかも、会話の内容も忘れたが「俺は代田橋に住んでんだよ」と言ったのだけ覚えている

2年前64の時、42年ぶりにクラス会があった 

女4人男9人で大竹友司も出席した 女たちの一番人気は大竹だった

神山さんと、そんな大竹の話で盛り上がった

なんでも大竹は以前、俺が今住んでいる市営清原団地にいたことがあったそうだ

そのうちにまた1人やって来た

白髪で禿げてはいない 昔は男前だったことだろう

そのが言ったのだ

安倍がさっき撃たれたよ ありゃ、たぶん死んだね」


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