34段目3番
無念
コロナの勢いが一時ほどではなくなったせいか、円安の勢いもろともせず、またぞろ人々の動き出す気配がある
俺の知っている日本人3人が、バタバタとチェンマイへと旅立っていった
のを、とある情報から知った
俺には無理だ 金がない
日本へ引き揚げる決心をした時、諦めはつけていた
チェンマイ時代は、毎朝走った
その帰り道、日課のように豆乳นมเต้าหู้を買った
アパートを繰り返し変えたから、いろいろな場所で買った
「砂糖を入れないで」ไม่ใส่นำ้ตาลと言うのを忘れなかった
ある時、砂糖を入れない豆乳は「○×○×」と言うのだ、と教えられた
独特の言い方があるのだが、今は完璧に忘れてしまっている
最後はスアンドーク寺裏手の、ホテルも兼ねるマンションに住み、通りにやって来る屋台の豆乳を愛飲した
毎日、奥さんが引いてきた
なぜ奥さんと分かったかっていうと、1週間に1度か2度は旦那だったからだ
ふたりはきっと30代だ
その屋台をスアンドーク通りと平行に走る裏道3本目のテープサティット通りの隅っこに見つけた時は驚いた
いつも決まった場所にある 商売から帰ればそこに置くのだろう
ふたりは近辺に住んでいる
俺は通ぶって「○×○×」と注文したものだった
チェンマイを引き払って3年以上過ぎた
この清原団地に越してきてからも2年と4ヶ月が経った
「○×○×」の言い回しをやっぱり思い出せない
ネットで調べても、調べがつかない
重ね重ね無念でならない
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