31段目7番
ピアノ
チェンマイのフリーペーパーヴィアンチェンマイの地図にピアノが載っていた
つまりはピアノの(広告)が取れたということだ
チョタナ通りからもスーパーハイウェイからも行き着けるが、どこから入るかがややこしい
だからタニン市場の裏手から裏道を伝って行った
何回か行くと、この道でたどり着けるんだと分かってくるのだが、しばらく行かないと忘れてしまう
ピアノはカラオケ店だ
そうしたところへ行くとなると、かなりの下地が必要になる
で、帰る頃は酩酊し前後不覚、よく乗って行ったママチャリをそのままにして部屋に戻った
タイに中瓶はないので、普通カラオケやは小瓶を置いている
それを大きめのグラスに注ぐと1ミリか2ミリ、瓶の底に残る
ぼくは少し飲み注ぎ足してから、瓶を下げてもらうようにしていた
だいたい80฿から90฿ 下手するとa gogobar のように100฿取るところもあった
ところがだ ピアノは小瓶でなく大瓶だった 銘柄はLEO
これをレオと読んではいけない
「コービアリオヌゥングクアドขอเบียร์ลิวหนึ่งขวด」と注文しよう
さていくらだと思う?
ぼくの記憶が確かなら、70฿だ
小泉純一郎は武蔵丸と貴乃花のエセ勝負に「感動した」とほざいたが、この値段には心底感動した
ピアノを覗いてみよう
ドアを開けると、ちょっとせせこましいフロアーだ
フロアーには、テーブルがところ狭しと並べられていて当然なのだが、ピアノには2つしかない
その代わり中央に居座る円形のカウンターが際立っている
ぼくはそこへ陣取り70฿の大瓶をオーダーするのだ
中に人は入れるが、時々ママさんがいるくらいで専門のバーテンダーとかはいない
入店するのは暗くなり出す7:00くらいだから、出勤したての女が壁際に並んだ椅子に座って、化粧に余念がない
下地は過剰にできているので、リクエストして早々と歌い出す
カウンター上方にもスクリーンはあるが首が痛くなるので、テレビ画面に歌詞が映し出されるテーブル席の手前で歌う
テーブルは2つとも壁沿いに配置されてるから、まるで女たちに歌いかけてるようだ
女と個室はどちらも1時間100฿
悪酔いしない限り指名はせず部屋も借りず、歌い倒して時を過ごす、まったく困った客だった
翌朝、道に迷いつつママチャリを取りに行く
朝陽の中で見るカラオケやは、薄汚く取り付く島もない
そうしたことが2度か3度あった
帰りにはラチャパット大学側から、歩道橋を渡ると、その下に間口を広げる朝飯や(売るモノがなくなると早い時間に閉めてしまう)に立ち寄る
味のないおかゆข้าวต้มเปล่าを肴に<茄子とひき肉の炒めた>やつとか<厚揚げの煮つけ>なんか注文して一杯やった
ここのビールはピアノより5฿高い
ピアノへの感謝の念が懐深くにジーンと染み入ってくるのだった
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