2022年1月31日月曜日

服部良一の5曲 その1 銀座カンカン娘

 31段目7番

ピアノ


チェンマイのフリーペーパーヴィアンチェンマイの地図にピアノが載っていた

つまりはピアノの(広告)が取れたということだ

チョタナ通りからもスーパーハイウェイからも行き着けるが、どこから入るかがややこしい

だからタニン市場の裏手から裏道を伝って行った 

何回か行くと、この道でたどり着けるんだと分かってくるのだが、しばらく行かないと忘れてしまう


ピアノはカラオケ店

そうしたところへ行くとなると、かなりの下地が必要になる

で、帰る頃は酩酊し前後不覚、よく乗って行ったママチャリをそのままにして部屋に戻った 

タイに中瓶はないので、普通カラオケやは小瓶を置いている 

それを大きめのグラスに注ぐと1ミリか2ミリ、瓶の底に残る

ぼくは少し飲み注ぎ足してから、瓶を下げてもらうようにしていた

だいたい80฿から90฿ 下手するとa gogobar のように100฿取るところもあった


ところがだ ピアノは小瓶でなく大瓶だった 銘柄はLEO 

これをレオと読んではいけない 

コービアリオヌゥングクアドขอเบียร์ลิวหนึ่งขวด」と注文しよう

さていくらだと思う?

ぼくの記憶が確かなら、70฿だ

 

小泉純一郎武蔵丸貴乃花のエセ勝負に「感動した」とほざいたが、この値段には心底感動した

ピアノを覗いてみよう

ドアを開けると、ちょっとせせこましいフロアーだ 

フロアーには、テーブルがところ狭しと並べられていて当然なのだが、ピアノには2つしかない 

その代わり中央に居座る円形のカウンターが際立っている 

ぼくはそこへ陣取り70฿の大瓶をオーダーするのだ


中に人は入れるが、時々ママさんがいるくらいで専門のバーテンダーとかはいない

入店するのは暗くなり出す7:00くらいだから、出勤したての女が壁際に並んだ椅子に座って、化粧に余念がない

下地は過剰にできているので、リクエストして早々と歌い出す

カウンター上方にもスクリーンはあるが首が痛くなるので、テレビ画面に歌詞が映し出されるテーブル席の手前で歌う 

テーブルは2つとも壁沿いに配置されてるから、まるで女たちに歌いかけてるようだ

女と個室はどちらも1時間100฿

悪酔いしない限り指名はせず部屋も借りず、歌い倒して時を過ごす、まったく困った客だった


翌朝、道に迷いつつママチャリを取りに行く 

朝陽の中で見るカラオケやは、薄汚く取り付く島もない

そうしたことが2度か3度あった

帰りにはラチャパット大学側から、歩道橋を渡ると、その下に間口を広げる朝飯や(売るモノがなくなると早い時間に閉めてしまう)に立ち寄る

味のないおかゆข้าวต้มเปล่าを肴に<茄子とひき肉の炒めた>やつとか<厚揚げの煮つけ>なんか注文して一杯やった

ここのビールはピアノより5฿高い

ピアノへの感謝の念が懐深くにジーンと染み入ってくるのだった





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