2021年12月12日日曜日

友部正人の5曲 その5 一本道

 30段目6番

蘆原寺


蘆はオォーอ้อ、トゥングทุ่งは野原とか繁みの意、ワッドวัดは言うまでもなく寺だ

ワッドカンターラームวัดคันธารามという立派な正式名称もあるが、面と向かってそう呼ぶ者はいない

レース案内のチラシにもワッドオォートゥングวัดอ้อทุ่งと記載されていた


レース会場へ行くと、その日のコースやレースの由来が記されたチラシがテーブルにあったりする

傍らには、1週間後あるいは、1ヶ月後に開かれるレースのチラシも並ぶ

レース出場を兼ねた関係者が置いていくのだ

用意周到な主催者は、塀の金網に2週間後の開催レースの横断幕を括り付けたりする


チラシを検討すると蘆原寺は国道108号線(チェンマイーハンドン道路)にある

ハンドンを通り越し、サンパトーンの街中へ入る少し手前の右手に位置している

下見に行きたいが、そっち方面に詳しくはなく距離感がつかめない

前日の宿泊OKとあったのでママチャリではなく乗り合い軽トラรถสองแถวで早めに出かけることにした


乗り合いはチェンマイ門が始発だ 

そこまでは自転車でと思ったが、置き場所をイメージできず歩いていった

ハンドンหางดง止まりもあるのだろうか?

サンパトーンสันป่าตอง ヂョームトーンจอมทอง行きに乗れば間違いはない

週に何便かはチェンマイの果てオムコイ行きも出ているようだ

フロントガラスにจอมทอง(ヂョームトーン)の文字を認めたので運転手にチラシを差し出したら頷いてくれた

どのくらいかかったろう?

運賃は覚えていない 

市内を流す赤色乗り合いは高いが、路線を走る長距離乗り合いはバカ安なのだ


登録を済ませ、お寺に寄り添うように建っている食堂へ入る

壁に貼ってあるメニューの短冊を除けば、民家の土間の台所と何ら変わりはない

まだ13時、泊まるところへ案内を乞うのは早すぎるだろう

ナムトクนำ้ตกを肴にビールを2本飲み、仕上げは焼き飯でしめた

おかみは「これが1回目なんだけど、人は集まるかしら」と心配げだった


宿泊場所は幼稚園であった 

おそらく蘆原寺が経営母体だろう 

15時を過ぎていたが、一番乗りであった

17時に3人組がやって来た リーダー格の男がぼくをランニングに誘ったが、断わった 

レース前日は一切走らない主義だ ましてもうじき暗くなるというのに

そのあと2人加わって計6人になった

布団はより取り見取り 戸締りもきっちりしていたから持参のテントは張らずに済んだ


幼稚園も蘆原寺も108号線からすぐにある

きょうのコースはいたって簡単、チェンマイ方面へ5キロ走ってまた戻ってくる

参加者は、まあそこそこだろう

知る人ぞ知るぼくは裸足のランナーだが一時期靴下でも走っていた

何の細工も施さなければ、すぐにかかとや親指の部位に穴が開く

ガムテープを千切って靴下底に張り重ね、最後に糸で縫い付ける方法に落ち着いた

初期には輪ゴム5ケを一つまとめにし、それをいくつも縫い込んだりしていた

この日は、そのスタイルでの出場だ


折り返しを過ぎたあたりで靴下がズレだした

残り2キロを切る頃には、輪ゴムはほぼ路上に抜け落ち靴下はボロボロだ

脱ぎ捨てたいが、その時間が惜しい

そのかいあってか年代別(大抵5歳単位か10歳単位で組み分けされる)で初めての1位であった

寺の境内のトイレでシャワーを浴びる 学校のトイレだとシャワー室のないところもある


路地の入口に雑貨屋があり、ビールが冷えていた

店先の石造りの丸いテーブルに座り祝杯をあげる

チェンマイの方に走っていった乗り合い軽トラを1台やり過ごす

慌てることはない こちら側を走行する乗り合いなら100%チェンマイまで行くだろう 

2台目をどうするかで迷ったが、途中小便で降りても<次の乗り合いに乗ればいい>のだ

「ビールをもう1本下さい」

ขอเบียร์อีกขวดหนึ่งとタイ語で言った


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参考写真 


     






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