2021年9月19日日曜日

田中小実昌の5冊 その5 自動巻き時計の一日

 段外9番

緊急事態宣言


が発令されたのはいつだったろう?

図書館が臨時休館に踏み切ったのはその2、3日あとで、多分8月23日だった

(これはエライことだ)と酒を飲み、悪酔いした

糞を漏らしてしまったのだが、そのことに触れると文章が汚れる

このブログはあくまで詩のつもりなので、穢さないためにも糞話は割愛する


台所で転倒した

起き上がろうとしても上手くいかない

たまに中腰になれても、またスッテンコロリンだ

七転八倒とはこのことだ

起き上がろうともがくたびに、砕けるように腰が床を泳ぐ 

そのたびに、ワイズミュラー張りに雄叫びあげてしまう


当初の予定は9月12日までだった

9月13日の月曜日は、ちょうど休館日に当たる 

(どうなってるだろう?)ママチャリで正面玄関に乗りつけた 案の定、延長されていた

貼り紙に<電話で資料の予約が出来る>の一行を見つけ早速電話する

受け渡し方法は郵送とのことだった

「いくらだ?」と聞くと、本の大きさ、厚み、冊数と、いろいろ言い出して要を得ない

「DVDの棚の横っちょに吉村昭全集があるよね、それを5冊だったらいくら?」

しばし、沈黙の後「1000円弱ではないでしょうか」の答えが返ってきた

1冊につき100円以下だったら考えないでもなかった 

ただタダで借りられるモノに200円となるとプライドが許さない

(これはエライことだじゃ済まないぞ)とまた酒を飲み悪酔いした


やはり糞を漏らしたのだが、同様の理由で割愛する

便器にしゃがんでいるのだが、どうしても水を流すレバーの位置を把握できない どうやっても手がレバーに届かない

身体を(あっちこっち)にひねっては「どこだ!どこだ?」と何度も叫んでしまった

隣近所はいい迷惑だったろう

身体の汚れを落とそうと、やっとの思いでシャワーを浴びる

後始末は棚上げにして一眠りした


目を覚ますと、台所と6畳間の仕切り戸のガラスが2枚割れていた 割ったのか割れたのかハッキリしない

目に違和感を覚えて鏡を覗くと、左目尻上方が腫れ上がり半分潰れていた

実家のある旧日光市に、月に一度帰ることにしている

今月は18日を予定していた

そしてきょうは19日だが、この目で帰ったらおこがましいだろう

一連のコロナ騒ぎを冷ややかに眺めている、あるいは眺めようとしている自分を嫌いではない

だが緊急事態は、どうやらこのらしい


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