26段目7番
雪隠に佇む
市営住宅の便所は狭い
扉は閉めないで利用している
ここの扉は内開きだから閉めないと、さらに窮屈に感じてしまう
でもせっかくの一人暮らしだし閉所恐怖症の気味もあるので、たとえばタイのアパートでは内開き外開きにかかわらず、ずっとそうしてきた
洋式トイレだから大はもちろんだが小も座ってすることにしている
開け放したまま用を足していると「腰掛けているのに佇んでいるような、世間が見渡せるような気になり、過去を振り返れば幸も不幸もなかったってこと」が素直に納得できる
将棋の枡目は81だ
4隅の枡目が雪隠だ
そこで詰まされるのを雪隠詰めという
ドアを閉めず便器に下半身をさらしていると「将棋盤に佇んでいる」錯覚を覚える
さあどこからでも詰ましにこい
そんなおおらかな気持ちになる
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