26段目8番
カユイ
寝床に入りさあ寝るぞと心構えする
途端に体中がカユクなる
だから掻く
所により蚯蚓腫れになったりもする
爪先のひび割れ部分で掻くと
赤い糸のような筋が脇腹や太腿の外回りに
何十本とできたりする
特に冬場は大変だ
だけれどもほんとうに正真正銘カユイのだろうか?
それまではカユクも何ともなかったのだ
さあ眠るぞという思いが呼び水となって
条件反射でついつい掻いてしまうのではないか
カユクなるのはそれからなのかもしれない
カユイのが先か掻くのが先かかなりの難問だ
どっちにしろカユイから不幸ってことはないだろう
カユクないから幸せってこともない
不幸でも幸でもない状態
もしかしてこれって幸せ?
矛盾しちゃうがそんな気がしないでもない
他のひとはどうなんだろう
床に入った途端にカユクなるようなことはないのだろうか?
そしてカユイから不幸だとは限らない
とか考えたりしないのだろうか
そんなひとが<性別><ジェンダー>に関係なくきっといる
挙句の果てに
幸せでも不幸せでもない状態ってきっと幸せなんだわ
と言い出すひとは数知れずいる
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