23段目3番
年頭に当たって
ぼくが生まれた頃には、まだ数え年が幅を利かせていた
ぼく自身は満で数えた
歳が一つ増えるのは、誕生日の11月17日
年が改まれば、心も新たになった気がして、日記なんぞをつけだす
どんどん歳を取り、日記の類は40手前で、一切書かなくなった
歳を取れば取るほどに、月日が流れるスピードはドンと速くなる
53の時<祈り>という詩で、数式を用い、そのことを証明した
今は、地球誕生の時を、ほぼ正確に言い当てられるそうだ
地球上の一年のスピードはずっと変わってはいないはず
63回目の年頭に当たって、考えたことがある
もし一日が11時間だったり33時間だったり
一年が100日だったり400日だったり
規則性を持たない、まったくのデタラメだとしたら
ぼくたちは、生きていけるか(否や)ということだ
難問だが、強引に(可能だ)と仮定しちゃおう
先が読めないのだから、計画は立てられない
農業はできない
働こうなんて誰も考えたりしない
約束はできない
責任なんて言葉はない
はて言葉は生まれたのかどうか?
貨幣も国家もあり得ない
木の実をもいだり、魚を捕ったりの狩猟生活だ
えっ! まるでユートピアじゃないか
さてさて、突然地球が軌道を踏み外し
流れ星になってしまったらどうだろう
「ぼくも乗っかかったまま、おんぶにだっこで
たどり着く先へ、連れっててもらえるのだろうか」
流れ流され摩擦熱で燃え尽きるのだろうか?
関連詩 祈り
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