26段目2番
また
働いている
働きたくなんかないのに去年と同じ、江戸川区立日光林間学校で働いている
働くと考えられない
っていうか、考える時間がぐぐぐっと減って
あれやこれやが、なかなかできなくなる
働くのは、金を得るためだろう
金を得るのは、食うためだろう
もし(霞を食って生きていけるなら)金なんていらない
働くなんて間抜けな真似はしない
働くと
読書する時間も走る時間もぼうっとしてる時間も寝る時間も吞む時間も、浸食され汚される
働いて得られるのは、ストレスとストレスを発散させるための金だけだ
死期が、刻一刻近づいている
残された時間とわが身を
霞を酒に変えてしまうという前代未聞の発見に
擲とうじゃないか
とっちらかって寝違えて
働くのはキライだし
っていうか労働は罪悪
と考える者だが
根が真面目なもんだから
実際に働くと
ついつい一所懸命になってしまうのだ
江戸川区立日光林間学校はお盆前が書き入れ時で
朝、昼、晩とそれこそ
一心不乱に骨身惜しまず働いた
やっと一息ついて
我が身へのご褒美に
懐深く、飲んだのだった
そして15時間は眠ったろう
そしたら寝違えた
あっちこっち、とっちらかって寝違えて
身体中が痛いのだ
洗剤負け
に苦しんでいる
手の甲が、指が、無数にひび割れ、そこから膿がほとばしる
痛く痒く、不愉快極まる
人生のここぞという(勝負には)ことごとく負けてきた
洗剤にもヤラれるとは不覚だった
右手でスポンジを握った途端、去年同様
あっさり負けてしまった
どんな(軟膏もクリームも液体も)効かない
塗っても飲んでも、煮ても焼いても、効かない
眠れない 遣り切れない 落ち着けない
せめて泥酔し、耐えがたき煩わしさを
忘れ飛ばすしかない
圧倒的な負け組みであるから
誰に負けても、どんな負け方をしても
イタクもカユクもフユカイでもないが
洗剤だけは別の世界だ
痛く痒く、不愉快極まる
藤井聡太!
まだ少年の君は、これまで洗剤に負けたことなどなかったろう
きっとあと3年でタイトルを取り、その数をどんどん増やすだろう
そして洗剤負けの経験をすることもなく、一生を終えるだろう
藤井聡太の出現は
(ひふみん)こと 歯なし 加藤一二三の男を上げた
敬虔なクリスチャンで家族想いで、負け数の記録保持者でもある彼ならば
一局くらいは
洗剤負けもあったかもしれぬ
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