2021年6月13日日曜日

梁石日の5冊 その5 Z

 19段目1番

首の解放もしくは開放そして快方



腰部変形性脊椎症の診断を受けるだいぶ前から、腰が思うように回らないのに気づいてはいた、が、生活に支障はない
強烈な痺れが臍から足の指先に向かって拡がり、四十八時間部屋の中を歩き回った時はどうなることかと思ったが、痺れが去ってしまえばどうということはない

野口みずきのようなフォームで、人より速く走ることもできた
しかし、左側へはごく普通に折り曲げられるのに右側へは一ミリたりとも「腰が曲がらない、回らない、動かない」と分かった時は驚いた
「えつ!いったいいつからなんだ?」

即、その日から腰を回し始めた、右側へは動いてくれないのだから半円を描くようにしかならないが、暇にまかせ、酔いにまかせ、昼夜兼業で、アクビが出ても、オクビが出ても辛抱強く続けた

小便の前に回し、糞をひっては回し、飯を食らっては腹ごなしに回した
だんだんだんだん半月が満月に移行していく、束縛されていた首が自由を謳歌し始める

油を差した車輪みたいに、ロウを塗りたくった障子のように、軽やかに回り、スムースにずれる
凝り固まっていた人生がどんドンどんドンほぐれていく
知人に貸した七万バーツのことなど、どうでもよくなってくる

大切なのは腰のグラインド、もっと大事なのが首の回転
ぼくの腰は、首は、もっともっと解放、もしくは開放されていく予感がする
気分の良い宵にはジプシー・ローズばりに悩ましくキメル
ただ、首が快方に向かうにつれ、性欲が減退するように感じるのは
「単なる錯覚かあ?」





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