2021年6月29日火曜日

山田洋次の5本 その4 鬼の爪隠し剣

 22段目2番

春夏秋冬


春は
のどかな日が差す縁側に
座布団を重ね
夏に夏にこそと思った

夏は
パンツ脱ぎ捨て
直射日光にインキンさらし
秋に秋には治れと願った

秋は
振られちまった不条理に
その腹いせに
冬に冬に骨身をうずめたかった

冬は
炬燵に懐深く潜り込み
両手で継ぎ足握り締め
春が春が来るのをひたすら待つのだった




雨が簫蕭と降っている
 
 
中学の国語の教科書に載っていた三好達治の詩の一節だ
阿蘇山のカルデラで馬が二頭、雨に打たれている
といった、内容ではなかったか?
題名は思い出せない
この一行の前では(ああだこうだ)と、あることないこと書き殴ってきた、ぼくの拳は粉々に砕かれてしまう
雨が簫蕭と降っている
このフレーズを脳ミソでお縄にかけた時
三好達治は喝采したろう
雨が簫簫と降るのなら
すべてのことは
仕方がない、




 
 

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