22段目2番
春夏秋冬
春は
のどかな日が差す縁側に
座布団を重ね
夏に夏にこそと思った
夏は
パンツ脱ぎ捨て
直射日光にインキンさらし
秋に秋には治れと願った
秋は
振られちまった不条理に
その腹いせに
冬に冬に骨身をうずめたかった
冬は
炬燵に懐深く潜り込み
両手で継ぎ足握り締め
春が春が来るのをひたすら待つのだった
雨が簫蕭と降っている
中学の国語の教科書に載っていた三好達治の詩の一節だ
阿蘇山のカルデラで馬が二頭、雨に打たれている
といった、内容ではなかったか?
題名は思い出せない
この一行の前では(ああだこうだ)と、あることないこと書き殴ってきた、ぼくの拳は粉々に砕かれてしまう
雨が簫蕭と降っている
このフレーズを脳ミソでお縄にかけた時
三好達治は喝采したろう
雨が簫簫と降るのなら
すべてのことは
仕方がない、と
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