22段目1番
日向ぼっこ
感じるほどではない寒さの中で
ほのぼのとした太陽が全身を照らすと
気持ちのいい脱力感がある
空は青く深い
校庭は校舎の位置より一段低い
段差は芝生のスロープで
寝っ転がるには絶好だ
校庭の向こうは若杉町で
あっちこっちの屋根が順不同に
キラリと光る
もっと向こうの国道119号は見えないが
しょうもなく聞こえてくるダンプのエンジンの唸りが
脱力感に拍車をかける
そのガソリンの切れ端だろう
風に紛れてさすらって鼻腔をくすぐるようなのだ
「高校へは行かず、働きながらボクサーになる」
と、言ったら父も母もおまけに担任も反対した
2ヶ月は粘ったが、こっちが折れた
さてさてさて
もうじき昼休みは終わる
できれば、このまま果てしなく
沈没していたい
わらばんし
に詩を書いて
君に送る
わらばんしに昔を映し
思い出せない思いを
君にあげる
きっと その匂いと肌触りに
こころ ざわつかせてくれるだろう
怠惰で
小心で
生意気で
臆病で
片意地な
ぼくだったが
そうした いたらなかったフシブシを
悔いつつ 憂いつつ
君に送る
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