2021年5月25日火曜日

是枝裕和の5本 その2 三度目の殺人

 17段目8番

還暦無情


どうも楽しくない なんかつまんない
そんな時はどうにかしなくちゃと躍起になったもんだ
ここのところは、そのままじっとしている
それでも一日は過ぎていく

ぼくの唯一の自慢はその気になれば、やすやすと日に二回は抜けるってことだ
それだのに(穴に入れたい)って気にちっともなれない
昔は女を見れば、触りたい(ハメて)みたい、と熱くなったのに

誰でもいいから好きになって、愛しちゃって(穴に入れて)一つになりたい、と狂おしいほどだったのに
密かな夢は、好きな女と炬燵に入ってみかんの皮をムキむきしながら、足で女をトントンし、足と足とでもって意思の疎通を図ることだった

叶わぬ夢だった 女と暮らしたこともない
たとえば今、誰かを好きになったとしても、同じ炬燵に入りたいとは思わない
こんな時は酒を飲むに限るのだろうか
別に飲まなくたって平気だ
三日四日飲まない、なんてえことはザラだ

昔は夕方になれば居ても立ってもいられなかったのに
ただ酒乱であるから、飲みだしたら止まらなくなる
意識がなくなるまで、否、なくなっても飲み続ける
バカと酒乱につける薬はないというが
「バカと酒乱は一生モノ」
なのであった




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