2021年5月21日金曜日

是枝裕和の5本 その1 誰も知らない

 17段目7番

「恥ずかしながら」


と、横井さんが
もしかしたら、小野田さんの方だったかも知れない
帰って来た時
「ああ、そうなのか」と思った

今更、何がそうなのかを
事細かく分析する、気力、体力は残ってない
ただ恥ずかしながら、今日まで生きてしまった
数え切れないほど、マスをかいてきた
「だから何なんだ それがどうしたっていうんだ」
と、開き直る傲慢さも膂力も、持ち合わせてはいない

「ヒトの噂をしないのが、ひでおの唯一の取柄だんべ」
と母親から褒められるたびに素直にうれしがった
正直者に
残っているのは 保たれているのは
恥ずかしながら
「ああ、そうなのか」
という心境だけだ






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