13段目6番
サイコちゃんとサイちゃん
サイコちゃんは同級生の一人と、下校するぼくを尾行し、家まで附いてきたことがある
だいたいこの辺だと分かっていたが「もっとはっきり」させたかったようだ
知り合ってまもなくサイちゃんは
「親父は、小さい頃に死んだ」と言った
そのサイちゃんは死んでしまったが
おとうさんは90を過ぎた今もピンピンとし、社交ダンスに精をだしているそうだ
ウチから歩いて30分のところに、小学生が画用紙の右上に描くような山があり、そのてっぺんには100円を貢と200円にして返してくれる神様がいて、正月の2日か3日に詣でる慣わしがある
手塚の光ちゃんと初めて登った時
登ったのはそれ1度きりだが、サイコちゃんと行き違った
サイコちゃんは「いきいき」していた
そのことをあみだした暗号で日記帳に記し、72時間予約再確認のような恋をした
中学時代のサイちゃんはクソ真面目で勉強ができ、学級委員でもあったらしい
知り合ってからは、酔うと必ず攻撃的な言動になった
その目はサイの目のようにうつろだった
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