10段目2番
質屋
等々力に住んでいた
店の名前は忘れた
たまたまそこにあった
表玄関なのか、入り口と言うべきなのか
戸に向かって小便をしていた
質屋に恨みはない
その店とも何の関わりもなかった
ゾラを持ち出すまでもなく
質屋は古今東西文学作品の花形だ
どこでどのくらい飲んだのか?
今となってはキレイに記憶がない
中がざわつき出すのが分かった
警察に連絡を取っている「気配」がした
だが立ち去らなかった
逸物をしまいはしなかった
ナニカシラを待っていたのだろうか?
東調布署に連行され、始末書を取られた
トラ箱に入ることなく放り出された
一番近かった駅のシャッターは上がっていた
始発はなかナカ来ないのだった
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