2020年6月17日水曜日

佐藤愛子の5冊 その5 スミヨンの一生

8段目6番
ナワトビ パート3   ナワラー宣言


日本からまたまたタイのチェンマイにやってきて2つのレースを走った
10キロのミニマラソンだが、ぱっとしない
イヤな予感はあった
日本で1度だけタイムを計った
気持ちよく走れたのに
たった7キロの距離なのに
全盛期より3分悪かった
それを肉離れの後遺症のせいにし、あとは計らなかった
年をとれば衰えるのは当然だし、あきらめのいい男だ
けれど「はい、そうですか」と納得できるものではない
加齢以外に原因があるのではないか
1つだけ思い当たることがある
走ることにかまけてナワトビをおろそかにしていた
30で跳び始めてから20年以上1日最低6000回は跳んできた
走り出してからも走ったあと、3000回こなしてきた
フルマラソンの完走もできないくせに、知らぬ間に、いっぱしの市民ランナーぶって、走ることを主題にしてしまった
肉離れが癖になったのもそのせいだ
ぼくの三大転機は、円形脱毛症になった時とスキンヘッドにした時とナワトビを始めた時なのだ
<今、ここに宣言する>
俺は断じて市民ランナーなんかじゃない
一介の、ナワラー
走れなくなっても飛び続ける
そしてポックリと
逝く





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