2020年6月14日日曜日

佐藤愛子の5冊 その4 虹へ・・

8段目5番
一瞬の風になれ 野口みづきに捧ぐ


例によって泥酔し
起きると左の足の甲に違和感があった
走ったら二キロが限界だった
それから四週間と二日 
早い話が一ヶ月、走ることもまともに歩くこともできないでいる
一週間飲めなくても
偉大なる飲み志には痛くも痒くもないが
走れないことがこんなにもつらいこととは知らなかった
縄跳びを始めたのは三十で、走り出したのが五十の時
縄跳びだけでは汗が掻けなくなった
そうまでして汗を掻くのは、おいしく飲みたいがためだ
もしも走りの神様、風の精がいるのなら
その昔、酒の精バッカスに二束三文で売り飛ばした魂は買い戻し
熨斗をつけ貴女に貢ぎます
どうかもう一度風のように走らせてください

#通り過ぎるあなたが風なら
わたしも今すぐ風になりたい





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