6段目4番
チブスのマーチ
俺が小学中学の時<腸チフス>は法定伝染病で罹患すれば<即隔離>と教わった
30年前のタイでは
「これが飲み終わる頃、熱は引いてる」
と、2週間分の薬を渡されオシマイだった
罹ったのは潜伏期間から逆算すれば<フィリピン・ルソン島>
バギオからジプニーに乗り、数時間で行き着いた、温泉の一軒宿だ
今はタイと日本の間を行ったり来たりしてるだけだが、30代前半はチャンと旅行をしていた
当時<エジプト航空>と<パキスタン航空>のバンコク行きは(マニラ経由)でストップオーバーってやつをしたわけだ
マニラからバンコクへ飛ぶ日、時間が有り余ってしまい、とある食堂でサンミゲルを飲みだした
すると女主人が、どういうわけかテーブルに居ついてしまって離れない
団扇で風を送ってくれるわ コップを空ければすぐに注ぎ足すわ
もう、その時点で感染していたわけだ
まずは微熱だった
解熱剤を飲み<大蒜><生姜>を生で齧り、サウナで汗を吐き出した
徒労に終わった
もう注射しかない
<チュラロンコン大学病院>に駆けつけ、あっちこっちたらい回しにされたあとボディ・ランゲージで<注射>をと訴えたのだが<点滴>されてしまった
そのおかげだろう、熱は42度まで跳ね上がり、これは尋常ではない
タニヤ通り雑居ビル7階<エスポ>という贔屓の、サウナ支配人は確か日本人だった
男に頼み込み日本語の話せる医師を紹介してもらった
それがちょっと前の首相と同じ名を持つ<ピブン>で腸チフスと相成った
ノービザでは、2週間しか滞在できない
あさってにはマレーシアへ脱けねばならぬ
だが一応、腸チフスの身だ
ガイドブックがいう<マレーシアホテルエリア>にあるゲストハウスの女経営者が何かと親身になってくれ<入国管理局>で1週間滞在延長の許可を得た
さて薬を飲み切った2週間後<マラッカ>にいた
体調はすこぶるいい
つい食い過ぎてしまいホテルまでの我慢がきかず、道端の物陰で野グソをキメテしまった
熱も完全に下がって3日は経ったことだし、そいつに<菌>はないと思う
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