2020年3月27日金曜日

ジョージ・ロイ・ヒルの3本 その2 スタローハウス5

6段目7番
ビエンチャンアンタッチャブル 3


ビエンチャンに観光ビザを取りに来たのだが、コトバはいらないのではないか

「ちょっと待ってくんない!」
とタイ語で声をかけたのは確かだが、通じなかったのかも知れない
行先が曖昧なまま、三輪タクシーは走り出してしまった
「ここだ」
ジェスチャーしたので、金を払い降りた

しかし、様子がおかしい
「おい」
と言ったら運転手は素知らぬ顔で去ってしまった

というのは嘘八百でナンにもキレイに覚えていない
あとからこんなふうにでっち上げてみた
タクシーに乗ったのは事実だ
けれど、そこが何処なのかさっぱり分からない
「なんで自分はこんなところにいるんだろう
神隠しに合うとはこういうことなのか?」

辺りは真っ暗だ
自分のホテルに帰りたい
その方法が分からない
近くに灯りがあったので、そのホテルにしけこんだ
朝起きてポケットを探れば、部屋代に900バーツ使ってあった

ミニバーを開けると水のボトルが2本ある
1本に口をつけ、フロントに行き「ビールは?」と聞くと無視された
「じゃあ、チェックアウトだ」とかます
「OK」と即答だ
「水はいくらだ?」
聞いてやったら「サービスだ」と返された
そこで名前が、どうあがいても出てこない、ホテル近くにある市場の位置を、しつこく質すのだった

歩いたら、5キロ離れてた
4連泊で計1200バーツを支払い済みの???ホテルには無事着いたが、途中で2軒の店に引っかかり、ビール5本を飲んでしまった
昨夜泊まったのは900バーツのホテルだ
自分が泊まろうとしていた1泊分は300バーツ
だが小心者には「900バーツした」としか考えられない
愚痴はここらで切り上げる
我が心の師忌野清志郎は、外国の曲に日本語をつけ、原曲を凌駕させる離れ業の持ち主だ
不肖、わたくしめもその真似事をしたい

前のビエンチャンアンタッチャブルという詩で、アンタッチャブルの意味は知らないと書いた
だがニュアンスなら分からないでもない
つまりアンタッチャブルは
「ちょと待っておくんなせえ お痛をしたのは確かにこのあっしだが、いったいビエンちゃんとはどこのどいつでえ!」
という意味だ



0 件のコメント:

コメントを投稿