諦念
夕べのことは水に流そう
側溝に流した
舐め終えたアイス棒みたいに
おふくろは覚えているだけで、ばあちゃんの苛めに耐えかね
二度家出している
一度目はイザワさんちへ
二度目はヤマコシさんちへ駆け込んだのだ
その道中は永遠のように感じられたが
なにヨク考えればハイハイでも行ける距離だった
一山超えたふるさと、山久保まで逃げ帰るには
背中のぼくが重すぎた
いつだって心配事で満腹だった母は
夕べのことも、あしたのことも
垂れ流しにするしか、なかったのだ
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