2023年9月21日木曜日

瀬尾まいこの5冊 その4 君が夏を走らせる

 43段目4番

倉重紀嗣


から何回も、葉書をもらった

若い頃、渋谷道玄坂ガード脇<ちっちゃな赤鬼>で働いていた時「ちくと」が口癖の、雑誌社の営業担当高知出身の大塚さんと、よく来た

1人で来ればカウンターに座り、必ずビールを1本差し入れてくれた

<赤鬼ウイングス>の試合を奥さん子供連れで応援に来たりもした

俺が平塚は横浜ゴムで労働に勤しんでいた時、駅の改札口で待っていたら、彼は目に脂をいっぱいつけて現れたのだ

それが見た最後となった


「倉ちゃんが行方不明だ」

と、マギーさんから聞いた 

奥さんと別れ<梓>という娘と<恢>という息子とも、離れ離れになったんだそうだ


その頃、最後の葉書をもらった

(旧年、目を痛めてしまい、遊行精神から遠のいてしまった <祈り>したためた文いただきながらの非道、許してください よも助よ、また会おう)

いつだって歌が何首か印刷された葉書なのだが、一首紹介させてもらう


白日へ射し抜く光よ

いまここの闇に視ひらく

心を解けよ


関連詩 ナワトビ




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