43段目4番
倉重紀嗣
から何回も、葉書をもらった
若い頃、渋谷道玄坂ガード脇<ちっちゃな赤鬼>で働いていた時「ちくと」が口癖の、雑誌社の営業担当高知出身の大塚さんと、よく来た
1人で来ればカウンターに座り、必ずビールを1本差し入れてくれた
<赤鬼ウイングス>の試合を奥さん子供連れで応援に来たりもした
俺が平塚は横浜ゴムで労働に勤しんでいた時、駅の改札口で待っていたら、彼は目に脂をいっぱいつけて現れたのだ
それが見た最後となった
「倉ちゃんが行方不明だ」
と、マギーさんから聞いた
奥さんと別れ<梓>という娘と<恢>という息子とも、離れ離れになったんだそうだ
その頃、最後の葉書をもらった
(旧年、目を痛めてしまい、遊行精神から遠のいてしまった <祈り>したためた文いただきながらの非道、許してください よも助よ、また会おう)
いつだって歌が何首か印刷された葉書なのだが、一首紹介させてもらう
白日へ射し抜く光よ
いまここの闇に視ひらく
心を解けよ
関連詩 ナワトビ
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