2023年2月9日木曜日

山田風太郎の5冊 その5 戦中派不戦日記

 39段目1番

冥界からの電話


を今市図書館で借り、読み直した

例によって細部はほぼ忘れていた 大きな勘違いにも気がついた

死んだ人間と電話でやり取りする話だ

死人の相手はずっと佐藤愛子本人と思っていた

そうではなく佐藤愛子の知り合いだった

その人が頻繁に電話で報告を入れ、二人は「ああでもないこうでもない」と応酬し合うのだ

佐藤愛子は北海道浦河に山荘を建てた頃から、これでもかこれでもかと超常現象に見舞われることになる

そのことは私の遺言><こんなふうに死にたいに詳しい

ぼくは佐藤愛子のファン

最初は彼女の予想通りに「おい、もうちょい、まともなのを書いてくれよ」という心持になった

だが彼女はラップ音や霊界のことを書き続け、そのスタンスにはまったくブレがない

血脈><晩鐘など極上の小説と出会う時分には、すっかり佐藤愛子寄りになっていた

ぼくは川上宗薫以上に佐藤愛子を慕う人間だ

彼女はその通りを書いている 自身の体験を噓偽りなく述べている

冥界には様々な階級があり、どこへ行くかはそれぞれの波動で決まるらしい 

自分もどこかしらに組み込まれてしまうわけだがで記したように死んだら宇宙の塵に還って、無になりたいと願う身としては困ってしまう

「死んでみなきゃ分からないさ」というのはあくまで建前だ

本音本心はまだ見えない、としておこう

最後に行く着く先は宇宙創造神らしいのだが


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