39段目1番
冥界からの電話
を今市図書館で借り、読み直した
例によって細部はほぼ忘れていた 大きな勘違いにも気がついた
死んだ人間と電話でやり取りする話だ
死人の相手はずっと佐藤愛子本人と思っていた
そうではなく佐藤愛子の知り合いだった
その人が頻繁に電話で報告を入れ、二人は「ああでもないこうでもない」と応酬し合うのだ
佐藤愛子は北海道浦河に山荘を建てた頃から、これでもかこれでもかと超常現象に見舞われることになる
そのことは<私の遺言><こんなふうに死にたい>に詳しい
ぼくは佐藤愛子のファンだ
最初は彼女の予想通りに「おい、もうちょい、まともなのを書いてくれよ」という心持になった
だが彼女はラップ音や霊界のことを書き続け、そのスタンスにはまったくブレがない
<血脈><晩鐘>など極上の小説と出会う時分には、すっかり佐藤愛子寄りになっていた
ぼくは川上宗薫以上に佐藤愛子を慕う人間だ
彼女はその通りを書いている 自身の体験を噓偽りなく述べている
冥界には様々な階級があり、どこへ行くかはそれぞれの波動で決まるらしい
自分もどこかしらに組み込まれてしまうわけだが<神>で記したように死んだら宇宙の塵に還って、無になりたいと願う身としては困ってしまう
「死んでみなきゃ分からないさ」というのはあくまで建前だ
本音本心はまだ見えない、としておこう
最後に行く着く先は宇宙創造神らしいのだが
関連詩 神
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