31段目9番
テンカラオケ
を、「カラオケテン」と言ってはรถตุ๊กฯ三輪タクシーの運転手は素知らぬ顔だ
2度言っても、走り出さない
ところが「テンカラオケ」だったらスムースに目的地へとたどり着く
酔うとゴッチャになっちゃうのだが「テンカラオケ」が正しい
テンカラオケは、ラタナコシン通りをピン川手前でワンシンカムの路地に入り、中程の左手にある
テンカラオケは、チェンマイカラオケ店の老舗中の老舗だ
地元で育った運転手なら自慢であり誇りであるはず
逆さに覚えている外国人、特に東洋人は許せないのだろう
ピアノだったら間違えようはない
テンカラオケへはピアノの3倍か4倍の回数行っている
普段はママチャリだが、酔えばタクシーだって止める
1階のフロアーは広い テーブル席が20か30用意されている
2階と3階は個室だ
日本からの友人マギーさんが来た時、女と個室を所望したら、ずらっと20人ばかり並んだ
常時30人近い人数が詰めているのではないか
エークとエークの店のデックスープ(年若い女給ウエートレス)3人、都合5人で来たこともあった
個室で歌ったが、女は必要なかった
モッドとそのともだちと来たこともある 個室に入ったが、もちろん女はつけない
日本の大同門との関係は分からないがバンコクにも大同門は何軒かあった
よく立ち寄ったのはタクシン一派の赤シャツや黒シャツたちが座り込んだラチャダムリ通りに面した店だ
ある年、ガードスアンゲーオのセントラルデパート4階に、大同門が進出してきた
1年か2年で潰れたが、モッドと待ち合わせをした
モッドはデートに1人で現れることはなく、いつも誰かを連れてくる
たまたま里帰り中だったのだろう その女は「スイスに旦那と住んでいる」と言った
彼女とは前にも会っていた チェンマイラーム病院と同じ並びのムーガタหมูกะทะ屋でだ
ぼくはモッドと競うように次々とビールを空けた
知らぬ間に意識を失いモッドのバイクに3人跨ってシリマンカラジャン通りのラッチャヤーマンションまで送り届けられたのだ
大同門の次に向かったテンカラオケの個室で何を歌ったかは覚えていない
どんな態度で2人に接したかも記憶にない
モッドに言わせると、その時のぼくは「鼻持ちならない最低の酔っ払い」だったらしい
おっぽり出そうと決めたが1人勝手に三輪タクシーを止め、帰ってしまったそうだ
ただし酔ってない時のぼくはそれなりなのだろう
モッドはプロポーズを受け入れてくれた
日本に戻って、わざわざ宇都宮の公証役場まで出向き、大金叩いて結婚のための書類を作ったりした
結句(この前死んだ西村賢太の真似)無駄になってしまったが
テンカラオケへもピアノ同様、開店を見計らって行く
普通は女もつけないし、階上にも上がらないから、お金はビールの小瓶80バーツしかかからない
ここには日本語の歌が大量にある
早い時間に拓郎を歌っていると、リクエストしていないのに、カラオケ係が気を利かせ、次から次へと拓郎をかけてくれたりする
有難いことだ 1本のビール代がないのに気づいたことがあった
翌日持参することにして事なきを得た
次の日、評判を落としたくないので早めに出向いたが、やはり開いてない
13時になっても、14時にも開いていない
15時に、やっと肩の荷をおろした
その間、対面の店で3本の大瓶ビールを飲んでしまったのだったが
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