2021年7月14日水曜日

ヘルマン・ヘッセの2冊 その2 車輪の下

 27段目10番

近づいている


ひょっとしたら 気づかぬうちに
月が地球に近づいている
起こったことは必ず終わる
生あるモノは必ず滅ぶ
今あるモノはいつか消え去る
近づいている
だんだんどんどん
大手を振ってゆるぎなく ためらうことなく
あいつだって お前だって 誰だって
一歩一歩着実に 近づいている
月が地球に近づいている

月は最後のその時を 懐深くで迎えたいのだ
こぼれて消える黄昏に
俺はそいつを 抱きしめよう



ぼく


は、まちがってるのかもしれない
ってことは、君もまちがってるのかもしれない
誰だってまちがってるのかもしれない
みんながみんなまちがってて、いいのだろうか?
地球も宇宙もまちがってるのかもしれない
ビックバンブラックホールは、まにあっていないのかもしれない

アインシュタインホーキング山中伸弥も小保方晴子も
まちがってるのかもしれない
だとすれば
俺たちは、何を信じればいいのだろうか
俺たちは、何をも信じずに生きていけるのだろうか
信じる信じないは、取るに足らぬことなのだろうか
揚げ足を取って取られて
この今を、刹那を信じるってことは
何をか<イワンの馬鹿>なのだろうか?




ヒト


は、ひとり言だけで、生きていけるだろうか?
他人と話すって
何と
面倒難解やるせないのだろう



ぼくひとり


だれかとしゃべりたいときがある
だれともしゃべりたくないときもある
ひとりでいたいときがある
ひとりでいたくないときはない



もっと遠くの水たまりへ
 
 
あめんぼうは、どこに行ったのだろう
最近とんと見かけない
よく言われているように絶滅寸前なんだろか
いや、あめんぼうは
となりの水たまりへ となりまちの水たまりへ 
みずすましのいる水たまりへ
ひとかき 
ひとまたぎ、したのだろう
 
 



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