2021年7月3日土曜日

お気に入り5曲日本編 その3 おどるポンポコリン B,B,クイーンズ

 23段目8番

最後のためいき


 君にはなにも聞こえないかも知れないが
 これが
 ぼくの精一杯のつぶやきです

叫ぶのだが、その裏返った声は、またたくまに蒸発し、身も蓋もない
おらんでも、その恨みつらみは、3秒で地球を1周し、後頭部を指ピンする

見つめたいのに、話したいのに
コトバが見つからない
あきらめてひきこもり、投げ出して飲んだくれ、捨て去って押し黙っても
下腹の下の、さらに下のほうで、くすぶり続けるものがある
それをつぶやきでもいいから、声にして訴えたい

 あなたにはなんにも聞こえないかもしれないが
 これが
 最後のためいきです





最後の言い訳


毎朝走るのを日課にしている
といいたいが、週に三回走れば御の字だろう
走れないわけじゃない 「走らないだけだ」
と、言い訳する

あしたはきょうの分もキッチリけりをつけてやる
もちろん、けりをつけたことは、ただの一度もない
若い頃は必要に迫られ、よくソープランドへ行った
行ったら、あしたからの生活に支障をきたす
そんな時は、神様に運命を委ねた

「十円玉を投げ、表だったら行き、裏なら行かない」
「あしたから醤油飯で暮らす」と固く誓ってまた放る
サラ金があるじゃないか、と強気に出る
また

だが、五回続けて裏が出ることは、先ずない
あったとしても怖くはない
十回出続けたことは、これまでには、なかった
よしんば、あったとしても
「俺は言い訳人間なのさ」と開き直るまでのこと

俺の引き出しに、言い訳以外のモノは入っていない
仕事をやめるなんてでもない
これまでにやめた仕事は、四桁は大袈裟でも、三桁は下らない
一日で、あるいは半日でやめた職は、三十を超えるだろう

最後の言い訳も用意してある
ものごころがついた時から決めていた
「もう言い訳はしない」
だから、広島長崎のような殺され方は御免こうむる
せめて言い訳する 隙間をくれ





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