22段目5番
暇潰し穀潰し
ぼくは穀潰しではない
暇潰しだ
その半生は暇と共にあった、と言っていい
そりゃ忙しい仕事に就いたこともあった
残業を4時間5時間としていた時期もある
でも暇を手放そうとはしなかった
弄ぼうと試みた
時間を放置する そこが暇を弄ぶコツだ
暇は万人に平等に降りてくる
どんなに傲慢な男にも、どれほど高慢な女にも、暇は取り付く、 暇は人を選ばない
権力が好きな奴らや、それに擦り寄る奴ら
彼らは暇潰しに権力を使いたがるのではない
あいつらは暇が怖いのだ
暇から逃れようと、のたうっても、どうにもならない
そんな自分を誇示するには、権力を振りかざすしか、ないのだ
暇を愛せないなんてナンテつまらん連中だ
暇の潰し方にはいろいろある
一番の方法は当然酒を飲むことだ
飲み過ぎて<意識と共に>暇もどこかに行っちゃった
てな、こともよくあった
だが脳みそは余韻を覚えていた
そいつが<ぼく>を作ってくれたわけだ
残り暇が、あとどれくらいなのかは、知らない
せっかくの暇だ
(丹念に慈しんで、潰していければな)
と願う
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