18段目8番
もっと
深みに嵌りたい
嵌りたいのに嵌れない
この肴にたかるハエを何とかしたいのに
払い除けても除けなくても
ハエは俺より執拗でずっと自分に忠実で
ドウにもコウにもアアにもできない
連続飲酒の成れの果て
嵌りたい
だが、嵌れない
そんな俺にだって
偉そうに言わせてもらうが
姉が二人と姪が六人と甥が二人いる
世間体がある
戦争を引き起こすのはおそらく
世間体だ
この日本語を英訳する頭脳はない
貯金もない だが俺には酒がある
嵌りたい
もっと執拗にもっと忠実に
もっとモット深くへ
ビールを飲まないと
どうにもならない
どうにもこうにも太刀打ちできない
禁断症状ではない
悲痛な心からの叫びだ
55を過ぎたあたりから小便が細くなった
いわゆる前立腺肥大だ
きっと順調に肥大し続けているのだろう
62の今、夜中に小便に起き便器に跨っても
小便がこぼれ出すまでに1分はかかる
それも蛇口をギリギリに閉じたようなこぼれ方だ
終わったと思っても終わってはいない
下腹を振り絞って残りを送り出す
1回、2回、3回、4回
10回超えてもまだ滴が滴り落ちる
「ああ、勢いのある小便がしたい」
このブログのどこかに
ビールを飲むとビールを飲むと小便がどんどんどんどん美しくなる
という詩を書いた
確かに今でもビールを飲めば少しはましになるが、仮に10本飲んだとて往年の迫力には欠ける
いくら透明な尿であっても勢いがなければ美しいとは言えない
かれこれ2週間一滴のアルコールも体内に取り込んでいない
重度の酒乱であってもアル中ではない証だ
いや上の姉によれば酒乱もアル中のウチらしいから
依存症ではない証左だ
夜中に幾度となくトイレに立っても
ちょろちょろと、ネズミのようなしょん便なら、ビールに頼りたくもなってくる
前立腺肥大はとうの昔に受け入れた
尿意は、一時間ごとの尿意だけは
一張羅の服のようにピッカピカに光り輝いており
癪に障る
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