14段目3番
唇によだれ
という、とんでもないタイトルの映画が昔あった
内容はまったく覚えていない
主演女優の名前は思い出せそうで、思い出せない
こんな時は検索することを覚えたが、どうしても知りたいことではなし、次回に回そう
小学一年の時の同級生にええという姓の女の子がいた
入学式の日からええさんは車椅子に乗り下半身にギブスを嵌めていた
週に一度しか登校せず、一時間か二時間でいなくなるのだった
クラスの誰よりも小さく、顔の皮膚には張り合いがなかった
二年生になり、ええさんは死んだ
やはり同じクラスにびいという女の子がいた
母親同士が知り合いだったのだろう
母に連れられびいさんの家を訪ねたことがある
何故かそこに車椅子にすっぽりと収まってええさんがいたのだった
一言二言、口を聞いたような気もするが確かな記憶ではない
唇によだれを見たのは、小学六年の時だ
途中で、不意に、この時の場景が甦ってきた
それからは三年に一遍くらいの割合で、唇によだれという題とともにええさんの事を、思い出す
勘違いして欲しくないので書いておく
ええさんが始終、よだれを流していた、ということではない
よだれとええさんには、何のつながりもない
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