船戸与一の５冊 その４ 蝕みの果実

４段目１０番

AI 「あい

たかったよ！」

って、そいつは夢の中で言ったんだ

「お前に成りすまし、お前の潜在意識を利用して、アベを殺してきてやった」と

高校２年の時にラブレターを書き見事振られた、１級下の「アベノツルコ」じゃなく、もっと有名なアベだ

このブログでも繰り返し、へりくだり「殺してはならない」と訴えてきたのに、そいつは

「お前に成り代わり、シンゾウのシンゾウをくり抜いてきてやった」

と、恩着せがましく

デ

泥酔から覚めると午後の１時を回ってる

もう混んではいないだろうと、近所の＜はま寿司＞へ赴いたのだ

瓶ビール３本と平日９０円の寿司を７皿食いながら、こんなふうに考えた

そいつに悪用された潜在意識を持つ生身の俺は、知らぬうちに消え失せ、現在は誰憚ることのない＜クローン＞なのじゃないかと

だとしたら

どうか

「わたしを離さないで」