まるで夢のような生活
はっきり言ってしまおう
この4月から年金が貰える身の上になった
さあ、これから
ものごころがつく前から密かに思い描いていた
夢の生活が始まる
受け取れるのは月々2万5千円でしかないが、もう働きなんかはしない
タイに少し貯金がある
それを円に換えオキナワへ行き
テント生活を始めるのだ
橋の下にテントを張り
朝になればそこいらを走り
流れる川に身を浸し
髭を剃り頭を剃る
ママチャリに、テント、寝袋を積んで
図書館へ行き
こめかみが噛み合わなくなるまで
<カラマーゾフの兄弟>
を読み耽る
閉店間際のスーパーで60%引きの弁当を二つ買い
サービスのお茶で一つ食い
またテントを張り
蛍の光でイヤ月明りで
もしくは橋を照らす、水銀灯で
借りてきた、たとえば<井上靖>の<北の海>を再読し
取り返しのつかない昔をもてあそぶ
そしてもう一つの弁当を食らい
静かに、静かに、目を閉じる
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