2024年5月28日火曜日

阿久悠の5曲 その2 気絶するほど悩ましい 作曲梅垣達志

 47段目6番

川中子はぼくに 3


チェンマイの、どのアパートに住んでいた時だったか、覚えてないがマサジから電話があった

「川中子が死んだ」と言うのだ

追ってまた連絡が入った

「自殺だった」と

自殺ならば状況は大きく変わる


クサカリと礼服を着込み川中子家へ乗り込んだ

線香を上げるのだ

了解はトヨちゃんからすでに得ている

川中子は1人息子を目の中に入れても痛くないほど可愛がっていた

その息子が事故ッタ トリカエシがつかなくなった


チェンマイへ来る前、川中子と会った

入れ揚げている<今市ロンドン店>の女給から借金を申し込まれたんだと

「それを貸してくれ」だとさ

(何で俺が?)

ケンモホロロに断った


このことをトヨちゃんが知る由はない

(取り付く島がない)

と思わせるに十分な応対だった






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