47段目6番
川中子はぼくに 3
チェンマイの、どのアパートに住んでいた時だったか、覚えてないがマサジから電話があった
「川中子が死んだ」と言うのだ
追ってまた連絡が入った
「自殺だった」と
自殺ならば状況は大きく変わる
クサカリと礼服を着込み川中子家へ乗り込んだ
線香を上げるのだ
了解はトヨちゃんからすでに得ている
川中子は1人息子を目の中に入れても痛くないほど可愛がっていた
その息子が事故ッタ トリカエシがつかなくなった
チェンマイへ来る前、川中子と会った
入れ揚げている<今市ロンドン店>の女給から借金を申し込まれたんだと
「それを貸してくれ」だとさ
(何で俺が?)
ケンモホロロに断った
このことをトヨちゃんが知る由はない
(取り付く島がない)
と思わせるに十分な応対だった
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