32段目1番
CD
ぼくは清原団地に住んでいる
団地サイズの畳は普通のおよそ二分の一だ
二号棟は一戸につき六畳四畳半三畳と三部屋あり、台所もあるから(三R一K)とでもいうのだろうか?
ここに入所した時、まず電力会社に電話して、三十アンペアの契約を十アンペアにしてもらった
なぜなら基本料金がケタ違いだから
自慢するが一ヶ月の電気代が五百円を超えたことはない
係員が来て言った
「それはやめた方がいいです すぐ電気がトビますよ」
確かに電子レンジを使うと二分しないでトブのだが、業務スーパーで一キロ二百四十五円の餅は一分半でふくよかに膨れる
夜の夜中に一瞬何にも見えなくなるのは考え物だが十秒後には自動的に回復する
一日に十回トバすと、電力会社のお世話にならなくてはいけないらしい
繰り返すが引っ越し当時、六畳にも四畳半にも三畳にも照明器具はなかった
これからもつける気は毛頭ない
であるから暗くなれば寝て、明るくなれば起きる
冬は夜が長いし、寒くて大変だが暖房器具はまったく使わない
布団に二重三重にくるまって、図書館から借りてきたDVDで長い夜をやり繰りする
その合間にはCDだって聞く
画面を見る必要がないので酒をふんだんに飲むことになる
すると<たくろう>や<清志郎>が話しかけてくるのだ
冷静に見ればCDは記録されたものだから、そんなことあり得ないのだが、 万能感に満ち溢れているとツツイノツイと繋がってしまう
そして悪酔いへとハマっていく
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