さよなら三角また来て四角
いいのよ、いいのよ 放っといて みんなわたしが悪いのよ
郵便ポストが赤いのも 電信柱が高いのも みんなわたしが悪いのよ
最近深酒した翌朝には、このフレーズが頭に滞って離れない
おそらく某女は郵便ポストを赤く塗る作業にも、電信柱を植え込む仕事にも、従事したことはないだろう
また郵便ポストが赤いことに、電信柱が高いことに、被害を被ってるわけでもないだろう
それなのに某女は、ポストが赤くて不快に感じる人があると聞くと、詫びをいれるのである
何と潔いのだろう
父性をくすぐられ放ってはおけなくなる
ついこないだ、不妊対策の一環として第三者の精子提供を受ける方法が、ずっと昔からあったのを知って驚いた
某女なら「悪いのはあなたじゃなくて、この私」とダンナの精子を顕微鏡で、覗かせたりはしないだろう
養子に迎えた娘が重い腎臓病になっても、自分の腎臓を差し出しはしないだろう
たとえ腹を痛めた子供だとしても、そんな不自然な畏れ多い振る舞いは受け入れず、自分を責めて泣くだろう
娘が死ねば悲嘆にくれるだろう
野たれ死んだあと
これは某女ではなく、ぼくのことだが
死体を解剖されるのには、やぶさかでない
ただ臓器を他人様に差し上げるのは
「まっぴら御免のよも助」だ
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