2019年7月31日水曜日

吉田拓郎の5曲 その2 花嫁になる君に

1段目2番
ある雨の日の情景



雨が降ると
とりとめもなく雨が降ると
ぼくの心は幼かった頃に帰っていきます

雨音が屋根に響くと母の吐息がそよぎます

雨は(ぐるり)をすべて被い隠してしまい
ぼくはとりとめもなく
詮方もなく

容赦なく雨は降り続き
目蓋は熱く厚くなり
掌はいつしか熱をおび

雨の音を聞きながら炬燵に眠ってしまいそうになると
記憶にないはずの情景へ(すとん)と落ちていくのです

そして
いつかは帰って行くんですね

雨で魂が洗い流された
(のっぺらぼう)の世界へ




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